2018年03月27日

生命誕生

NHKスペシャル「人体」。
やっと見れました。


今回のテーマは「生命誕生」。
あなたはどうやって人になったのか?
あなたはたったひとつの小さな受精卵からあなたになりました。


複雑で精巧な人体が、どのようにして形作られていくのか、
それは、世界中の科学者達が追い続けてきた人類最大の謎のひとつです。

それが今、急速に解き明かされつつあります。


きっかけになったのは、iPS細胞。

その発見によって、生命誕生の神秘を探る研究はこれまでと全く違う次元に入ったのだそうです。

見えてきたのは、受精卵の中に秘められた、巧妙な仕組み。


その主役は、細胞同士が情報をやりとりするのに使う、メッセージ物質。
いくつものメッセージ物質が次から次へと働き、臓器がひとりでに創られていくことがわかってきました。


受精卵の中には、私たちの身体を作る、ものすごく精巧なプログラムが入っています。

次々と新しい臓器ができる仕組みの中にも、細胞と細胞が声をかけ合う、メッセージ物質の活躍があるのだそうです。


このメッセージに注目すると、
身体の神秘、そして
生命誕生の一段深い部分が見えてきます。

お母さんのお腹の中で育まれる命は、
受精の瞬間、卵子に精子が入り込み、受精卵となります。
そこから長い時間をかけて、壮大な生命創造のドラマが始まるのです。


受精卵の中で、
精子の頭にぎゅっと詰め込まれていた遺伝子がふくらんで出て、
母親と父親、それぞれの遺伝子が入ったふたつの核が現れますが、
次には、見えなくなります。

この瞬間、遺伝情報が入った染色体が集まり、父と母の遺伝子が出会い、新たな命が生まれます。

2時間後、分裂を始め、5日間かけて、細胞が100個ほどに増えていきます。

この後、いよいよ、受精卵は子宮に着床する時期を迎えます。


しかし、最大の難関は、ここから。

受精卵が、子宮の壁にしっかりと根付くかどうか。
ここがうまくいかないと、妊娠には至りません。

この難関を乗り越えるために、
おなかの中では、メッセージ物質が働いて、大きな変化が始まることがわかってきたのだそうです。

母親が妊娠に気づくずっと前に、赤ちゃんからお母さんへ発信されている初めてのメッセージ。


着床後の受精卵を観察していると、あちこちからある物質が放出され始めます。
日を追うごとにどんどん増えていきます。

受精卵が母へ向けて発する最初のメッセージは、受精卵が子宮に根付くために、大切な働きをしています。

子宮の壁にくっついた受精卵。
しかし、それだけでは、次の生理が来たときに身体の外に出てしまいます。

そこで、受精卵が放出するのが、hCG。
「ここにいるよ!」という物質は
母親の血液の流れに乗って広がり、卵巣などに働きかけます。
すると母親の身体は生理を起こさなくなり、
代わりに、子宮の壁をどんどん厚くしていきます。
そこに、受精卵がしっかりと包み込まれるのです。

受精卵がメッセージを発することで始めて、母親の身体は妊娠の準備をすることができます。

たったひとつの受精卵が枝分かれして、いろんな臓器の細胞を生み出していきます。
名前がついている細胞だけでも200種類以上。

生命誕生は、まさに、ドミノ式全自動プログラムと言えるのだとか。
いったん始まると、あとは次から次にいろんな臓器ができていきます。

そこでもメッセージ物質が重要な役割を果たしています。

最初の臓器が生まれる秘密は
まだどの臓器にもなっていない、分裂を始めたばかりの細胞です。
これに、あるメッセージを与えます。

メッセージ物質、WNT(ウィント)。

分裂していく受精卵の中で大量に見つかる物質です。

最初に臓器になるのは心臓です。

まだ、どの臓器にもなっていない細胞が、たったひとつのメッセージを与えられただけで
拍動する心臓の細胞に変わってしまいます。

次は、肝臓です。

拍動する心臓の細胞、そのすぐ横に、肝臓と思われる細胞がひとりでに現れていました。
調べてみると、心臓の細胞が隣の細胞を刺激して肝臓をつくりだしたことがわかりました。

母親の胎内で分裂していく受精卵。

細胞がある程度まで増えると、一部の細胞たちがメッセージ物質を盛んに出し始めます。
メッセージを受け取った細胞たちは、心臓に変化をし始めます。
すると、心臓が次なるメッセージ物質を出し始めます。
これが近くにいる細胞たちに届くと肝臓が生まれます。

その後メッセージ物質を互いに出し合い、複雑に絡み合いながら肺や膵臓など臓器が次々と作られることがわかってきました。


ヒトの身体の中では、単一の臓器だけを作ることは全く起きないのだそうです。
お互いのいろいろな臓器、近くにあるもの、遠くにあるもの、おなかの中でメッセージのやりとりが始まり、みんなが会話をして臓器をつくっているらしい。

赤ちゃんの中ではメッセージ物質が次々と放出されて、臓器ができ、手足ができていきます。

およそ2ヶ月後、ほとんどの臓器が出そろい、人体の基本ができました。


メッセージ物質が次々と働いて臓器を生み出していくドミノ式全自動プログラム。
複雑で精巧な人体を形作る驚異の仕組みが明らかになってきました。

すべての細胞がメッセージを出しています。

分裂しながら臓器が作られる、枝分かれのそれぞれのところで、違う何種類ものメッセージ物質が複雑に絡み合って次の段階に進んでいきます。

この命の創造は
非常に精密で、
順番がちょっと変わっただけでも正しく働かないのだそうです。
(メッセージ物質の濃度やタイミングが少しずれただけでもうまくいかない)

200種類以上が整然と作られる奇蹟のようなメカニズム。


すべての臓器の基本が出そろった後、次なる難関が待ち受けています。

それは、「大きく育つこと」。

そのために、
母と子の共同作業が始まります。

ここから、お母さんが大活躍します。

およそ10ヶ月かけて赤ちゃんは大きくなります。


胎盤は赤ちゃんの細胞でできています。


子宮の壁に穴があいています。

お母さんの血管の出口です。
胎盤がくっついた後に穴があくのだそうです。
そこからお母さんの血液が胎盤から出て、赤ちゃんに酸素や栄養を運ぶのです。
(その穴は「恵みの窓」、赤ちゃんの胎盤に生えている枝のようなものは、「赤ちゃんの木」にたとえるとわかりやすく理解できる)

子宮と赤ちゃんを繋いでいる胎盤ですが、お母さんの血液そのものは赤ちゃんには入っていきません。
血液型が違う場合もあったりするので。

胎盤こそ生命誕生の鍵。

赤ちゃんを大きく育てる胎盤。
赤ちゃんは、必要な酸素と栄養を胎盤に頼っています。

胎盤には赤ちゃんの木があり、中には赤ちゃんの血管が通っています。


お母さんの子宮の壁にあいた血管の出口、「恵みの窓」から、様々な栄養素を含んだお母さんの血液が降り注いでいます。

この血液から「赤ちゃんの木」が栄養を吸収していくのです。

酸素もまた、「赤ちゃんの木」を通して吸収されます。
赤血球がぶつかった瞬間、酸素が枝に受け渡されました。

さらに、お母さんからメッセージ物質も受け渡されます。
「もっと大きくなりなさい」

この母と子のメッセージ物質のやりとりが大切で
「赤ちゃんの木」がそれに応えるように伸びていきます。
こうして、大きくなることにより、より多くの酸素と栄養を受け取れるようになるのです。

赤ちゃんは、脳を初めとした様々な臓器をまだまだ成長させていかなければなりません。
この時期、子宮の中では母親の身を切るような驚くべき現象が起きていることがわかってきました。


子宮の血管の出口、「恵みの窓」。
妊娠初期と妊娠中期では直径が10倍にも広がるのだそう。

さらに詳しく調べると、「恵みの窓」には周りとは少し違った細胞が見えています。
その細胞の表面に、細かい毛のようなものが生えています。
本来、赤ちゃんの木の枝にいるはずの細胞が、母親の子宮の壁で大量に見つかったのです。

赤ちゃんの細胞は母親の子宮に入り込み、血管を探し出します。
そして、その血管の壁を突き破るのです。

実はこれこそが赤ちゃんを大きく成長させるための驚異のドラマ。

妊娠4ヶ月頃の胎盤の中には、見違えるように大きくなった「赤ちゃんの木」があります。

しかし、枝が少し黒ずんでいます。
赤ちゃんが大きくなるにつれて、お母さんの血液が足りなくなり、酸素と栄養が行き渡っていません。
このままでは、赤ちゃんが成長できなくなってしまいます。

「赤ちゃんの木」がメッセージ物質PGFを出し始めました。
「もっと大きくなりたい」というメッセージです。

このメッセージをお母さんの子宮が受け取り、「恵みの窓」が大きく開きました。
与える血液の量を増やしたのです。

しかし、これで終わりではありません。
枝がさらに伸び、先端が次々と子宮に届きました。

「赤ちゃんの木」の細胞が子宮の壁にもぐり込んでいきます。

「恵みの窓」の内側に、赤ちゃんの細胞が次々と顔を出しました。
血管の壁を突き破って、どんどん割り込んできます。

そして、血管の壁が壊され、「恵みの窓」が更に大きく広がります。

壊れた血管の壁から、更に大量の血液が「赤ちゃんの木」を潤していきます。


お母さんの身を切るような壮絶な変化によってもたらされた、恵みの雨。

「赤ちゃんの木」が受け取った、大量の酸素と栄養がへその緒を通して赤ちゃんへと送られます。
こうして赤ちゃんは大きく成長していくと考えられています。


母と子がメッセージを交わして
たったひとつの受精卵から、赤ちゃんに。
これは、誰もがたどった道のり。


赤ちゃんとお母さんが共同作業で頑張って生きている。


子宮の壁を突き破る現象は、人間にごく近い限られた仲間だけの特徴なのだそうです。

完全にはわかっていませんが、おなかの中で脳を大きく発達させるためと言われていまるのだそうです。
お母さんに犠牲になってもらって酸素と栄養を送り、大きく育ててもらっているのです。


また、妊娠中の女性は骨がもろくなりやすいのですが、それは赤ちゃんも成長するためにカルシウムが必要ですから、赤ちゃんがカルシウムを求めるメッセージ物質を出しているのではないかと考えられているそうです。

この世界に生まれてくる
大切な命。

生命誕生の神秘が解き明かされたことで、命を救う現場でも革命が起きているようです。

生まれる前、メッセージ物質がうまく働かなかったために、臓器に問題があるまま生まれてくるケースもあるのだそうです。

iPS細胞から小さな臓器を作り、患者の身体に埋め込む再生医療が世界中の科学者に研究されているのだそうですが、肝臓の細胞をつくっても、臓器としての肝臓をつくったことにはなりません。

肝臓は複雑な臓器です。

肝臓の細胞、その周りを毛細血管が張り巡らされており、
肝臓が機能するためには、こうした複雑な構造が欠かせないのですが、このように複雑な機能を持った構造を人間の手で作りだすことは不可能に近いと言われていました。

そこで考えられたのが、母親の胎内で起きていることを真似する方法です。

iPS細胞が肝臓の細胞に変化していく途中で血管の細胞とその周りを支える細胞を混ぜ合わせます。
これは胎児の中で肝臓ができる途中に近い状態です。
そして母親の胎内に似た環境で培養します。
こうすれば、細胞たちがメッセージ物質を出して語り合い、複雑な構造をひとりでにつくってくれるのではないか・・・

実験を重ねたある日。

バラバラだった細胞たちが自然に集まり始めました。



できたのは、わずか数ミリの小さな肝臓。

中には、血管の網の目もありました。

はたして、身体の中で働くのか。

肝臓の機能が落ちているマウスに小さな肝臓を埋め込みました。

すると、30日後の生存率が飛躍的に高まりました。

世界で初めて
体内で実際に働く小さな肝臓を作り出すことに成功したのです。

この方法を人間の治療に生かすために
小さな肝臓を大量生産するための施設を去年から動かし始めたそうです。

2020年には重い肝臓病を患う子どもたちを対象に臨床研究を始めたいそうです。


人体の不思議にせまっていき
それらが新たな人間の成り立ちの理解に繋がるということは
直近の未来に起きうることだと語られました。


iPS細胞の可能性、医療の革命
メッセージ物質がわかってきたからできること。


メッセージ物質に注目することで
医学研究は新たな段階に入ったのだとか。

それでも
これだけ医療が進んでも直せない病気がたくさんあります。

国が指定する難病だけでも300種類以上、他にももっとあるのだとか。
克服に向けて研究が進められているそうです。


自然のリズム(細胞同士の会話)から
自然にできあがっていく命。

タイミングがくれば
必要なときに
まさに最善のタイミングで

ことは起きる。


私たちは
あまりに
自分で何とかしすぎようとしてきたのかもしれない。

自分以外を
自然界さえ
コントロールしようとしすぎたのかもしれない。



わからなくても
自然に働いている。

放っておいても
むしろ放っておく方が
そこに
自然のエネルギーが働いて
ちゃんと機能していくものなのかもしれない。

IMG201405066.jpeg





posted by Kaoru at 21:00| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: