2016年11月23日

向き合って見えてくるもの

NHK「足元の小宇宙 絵本作家と見つける生命のドラマ」を観ました。

御歳85歳の
現役の絵本作家、甲斐信枝さんの日常の様子です。
甲斐さんが創る絵本は
科学絵本とも呼ばれ
リアルで緻密、目線が徹底して植物と同じ高さ。

対象との向き合いがすごい。

書き始めたら5〜6時間はぶっ続け。

85歳とは思えない集中力です。

長年植物と向き合っていると植物がたくさんのことを語りかけてくれるのだそうです。

5年間、同じ空地に通いつめ、
植物を観察し続けて見つけたものは、
穏やかそうに見える植物の世界にも熾烈な戦いがあったということ。

空地に最初に生える草。
そこに新しくやってくる草。
あっという間に新しくやってきた草に陣地を埋め尽くされる最初の草。
かと思えば上から覆い被さるように新たな勢力が伸びて、あっという間に覇者交代。

毎年、勢力争いが繰り広げられている。

そして、ある年。

人によってすべて刈り取られてしまった空地の草。
枯れた草の間からは、
最初に消えたはずの草の芽がたくさん出ている。


私はもう、草の名前を忘れて「草」と呼んでいますが、甲斐さんはすべての草を名前で呼んでいます。

長いこと観察し続けていると、不意に宝物をくれるそうです。

日の出のころ、朝露が日の光をあびて、それはそれは美しく輝くのだそうです。
宝石のような朝露をまとうキャベツ。
ホントに美しかった。

綿毛をつけた種が飛び立つ瞬間。
風の吹く向きにのってそのまま流されるのではなく
葉に当たって渦になったり
向きを変えたりした風に乗ると
「種が舞い舞いする」のだとか。

確かに、スローカメラで見ると、
渦にのって回転したり
他の種とは反対側に飛んだり。
種も様々に散ってゆきます。

そういう、「たからもの」を見せてもらえる瞬間が、たまらなく嬉しいのだそうです。
そう語りながら、本当に幸せそうに植物と向き合う甲斐さん。

長年観察し続けた植物のわずかな変化から
どんなことを語っているかがわかるらしい。


豊かな人とは、こういう人のことだと
感じました。

本当に
美しい。

中でも
植物からのいちばんの教えは
「安住せよ」ということなのだそうです。


対象とひとつになるから
対象からいろんなことを教えてもらえる。

心がわかる。


わしゃわしゃと入り込んでいくようなやり方ではなく

素敵だと思う植物の前に座って
何時間も見続ける。

ひとつの植物との出逢いも
まるで深いご縁のように
向き合う姿。

そうして
対象を損なうことなく
そのままを見続けるから
植物が何を語っているのかが
わかるようになるのだろう。

そして、時々見せてくれる宝物に感動するのだろう。

多くのものは
いつも語りかけてくれている。

こちらが耳を傾ければ。

人との向き合いかたも同じことなのかもしれない。

徹底して観察し続けて
対象を知る。

おしつけるのではなく

言葉のみならず
対象が語ることを受け取る。

自分に生かす。




「向き合う」ということについて
深く考えさせられました。




posted by Kaoru at 22:22| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: