2013年05月27日

澄んだこの夜に思うこと

ある方から、とあるお話をきいたことがあります。

その方は2人姉妹の妹で、お姉さんは、脳にしょうがいがあり、意思の疎通が難しく、すぐに感情的になって自分をコントロールできなくなるのだそうで、いつも自分の方が我慢してきたと感じて生きてきました。お姉さんは病気だから仕方がない、こちらの方が合わせてあげなければ。親にもそう言われ、親もいつもお姉さんの事を優先してきました。そんなお姉さんを、妹さんの方は、長年、恥ずかしく、同時に疎ましくも思っていたのだそうです。

どうして姉ばかりが許されて我まま放題でいるのに、私は我慢してばっかりなの?!
ちょっとしたことですぐに感情的になって、どうして私が大切な用がある時に限って癇癪を起こすの?!

そんな不満が積もりに積もって、妹さんの方でも処理しきれずに泣いた夜が何度あったことか・・・

しかし、妹さんはある日気づきます。

しょうがいを持っている姉は家から一歩も出してもらえない、自分独りでは何もできない。

きっと、私が出掛ける時には、私が羨ましくて仕方ないに違いない。
でも、自分ではどうしようもないから、その怒りを私にぶつけるしかできないんだ・・・
初めて、姉の立場で自分を客観視したとき、お姉さんのことが理解できたと自分なりに感じたのだそうです。

そして、妹さんの素晴らしいところは、さらにそこから答えを見出したところです。

姉は、私にいつも問いかけてくれていたんだ。
一見、癇癪を起こして、何度も私の予定をぶち壊して、酷い姉のように思っていたれど、いつもいつも、「愛」を問いかけていてくれたんだ。
私が忍耐強く、相手の心を理解できるようになれるように。
姉自身が、傍から見たら決して美しいとはいえないこの状況を作って、むしろ、醜いとさえ思える姿で、私に身を持って教えていてくれたんだ・・・

こんなふうに教えてくれるのは、姉以外にいない・・・

そのように思ったら、涙が止まらず、感謝の念さえ湧いてくるのでした。

また、不思議なことに、そう気づいた時から、お姉さんの表情が穏やかになり、癇癪を起こす回数もどんどん減っていったのだそうです。
黙って見送る姉の目が、「気をつけてね」と言っているようにさえ見えてくる。
言葉が通じないと思ってたお姉さんと、心が通じた瞬間でした。

今にしてみれば、自分たちにこんな変化が訪れようとは思ってもいなかったのだそうです。


「相手を理解する」

簡単なようで難しいですね。
心は、見えないから。

でも、どんな時でも、想像力をフル回転させて、完全に理解はできなくても、理解したつもり・・・くらいにはなって、穏やかに生きたいものです。


posted by Kaoru at 23:31| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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