自分の幸せに
気づきにくくなっているのかもしれません。
世間から評価されたり絶賛されるようなことも
渦中の自分は
全く別の感情を味わっていることもあったり
他者から
凄いと、素敵だと言われるようなことでも
自分では全くそのように思えていなかったり。
過去
好きな詩として二編
アップしましたが
今日も
同じ方の詩を一編。
『虹の足』
吉野 弘
雨があがって
雲間から
乾麺みたいに真直な
陽射しがたくさん地上に刺さり
行手に榛名山が見えたころ
山路を登るバスの中で見たのだ、虹の足を。
眼下にひろがる田圃の上に
虹がそっと足を下ろしたのを!
野面にすらりと足を置いて
虹のアーチが軽やかに
すっくと空に立ったのを!
その虹の足の底に
小さな村といくつかの家が
すっぽり抱かれて染められていたのだ。
それなのに
家から飛び出して虹の足にさわろうとする人影は見えない。
───おーい、君の家が虹の中にあるぞオ
乗客たちは頬を火照らせ
野面に立った虹の足に見とれた。
多分、あれはバスの中の僕らには見えて
村の人々には見えないのだ。
そんなこともあるのだろう
他人には見えて
自分には見えない幸福の中で
格別驚きもせず
幸福に生きていることが───。
自分には
普通の1日でも
別の誰かから見たら
とても眩しく映っているのかもしれない。
特別で奇跡的で
幸福。
日々を精一杯生きてきた結果として
良くも悪くも周りが名付けたものに
自分を失ってはいけない。
自分が感じているものこそが
自分にはリアル。
自分がそれを
幸せだと感じられるのならば
それは
間違いなく幸福。
自分がとっても頑張った、と思っているなら
なにも知らない誰かがなんと言おうと
精一杯やったのだから。
自分に自信を持って。
幸福の数も増やせます。
いかに
自分の生活の中で見つけられるか
見つけられる目線を持てるか。
ひとは
自分の思い込みで世界を見る。
その思い込みがクリアなのであれば
世界はあなたにとって優しく美しいものでしょう。